
1、必要な時に必要な分だけ調達しようとする
トヨタのジャストインタイム方式のように、
資金調達も必要な時に必要な分だけ行うのが理想ですが、
これは資金調達に関しては当てはまりません。
ほとんどのケースで、
企業の借りたいとき≠銀行の貸したいとき であり
企業は借りる必要がないとき=銀行の貸したいとき であるからです。
これは、「銀行が公的機関である」という勘違いが根本にあります。
基本的に銀行は営利企業であり、その本質は金貸しです。
よって、貸したお金が間違いなく返ってくる時・相手にこそ貸したいのです。
この原理原則を知った上で、資金調達の基本方針は、
「借りられるときに、借りられるだけ借りる」が正解になります。
2、損益計算書と貸借対照表で資金繰りを考える
理論上の儲けを示す損益計算書では、いままでの資金の増減を正確に知ることはできません
一時点の財産状態を見ただけでは、この先の資金の増減を予測することはできません
ともに財務分析をする上では、とても重要な資料になりますが、
この先の資金繰りを考える上での資料としてはとても不十分です。
たとえ、赤字であったとしても資金がある限り会社は倒産しませんが、
会社の資金がショートした場合には、倒産してしまうことを考えれば、
少なくとも6か月先までの資金繰り表を作成することは必須になります。
6か月先に資金ショートすることを事前に察知しておけば、
選択肢を多く持った状態で対策を考えることができ、資金調達も余裕をもって
行うことができます。経営がまだ安定しているときに融資の打診をすれば、
「本当は借りる必要がないけれど借りてもよい」というポーカーフェイス
で交渉にも臨むことができます。結果的に、有利な条件を引き出すことも
できるでしょう。
3、資金調達ができのであれば投資も上手くいくと考えている
今までの業績と、投資を行った後の業績は必ずしも一致しません。
投資を行うことによる直接的な支出と売り上げ増加、それに伴う固定費の
増加を検証してみると必ずしも社長の思惑通りでないことがあります。
想像以上の売上高を上げないと、投資が回収できないことも当然あります。
投資は、あくまで資金繰りの観点で行うべきであり、予測の損益のみで
行ってしまうと増収・増益になるが資金繰りは厳しくなるという事態に陥ります。