粗利率とは何でしょうか?

売上目標を立てる会社はありますが、適正な粗利益率を把握していない会社は意外と多いです。

【売上を上げるために、経費をかけて利益が減ってしまう】
【売上が上がっているにも関わらず、利益が残っていない」

そのため、さらに売上アップを考えて経費を使い粗利益率を下げてしまう。
このように、堂々巡りになっている会社はかなりあるのではないでしょうか?

第1段階の利益である粗利益額
そして、利益を出すための定規「粗利率」

「売上は増加しているのに、なぜこんなに利益が少ないのだろう?」
売上が増えても、思うように利益が追い付いてこないことがあります。

例えば、
ある会社は、前期、売上を大幅に増加しましたが、利益は売上増加前とほとんど変わりませんでした。
そこで、今期も売上増加を目指して頑張ったのですが、残念ながら売上は前期前の水準に戻ってしまいました。
すると、売上は2年前と同じなのに、利益は当時よりも少なくなってしまったのです。
なぜこんなことが起こるのでしょうか? ポイントは、「粗利益率」です。

粗利率=粗利÷売上高

例えばその原因として、
商品構成が変わり、粗利益率の低い商品(仕事)の割合が高くなったということが考えられます。
あるいは、仕事が増えたときに安易に外注に出す(=変動費が増える)クセがついたのかもしれません。
最も多いケースは、売上アップにばかり集中して、
スポットでの値引きを多用したり、商品の値付けを安くし過ぎたり、
紹介料などの変動費を増やした時に見られます。

つまり、「売上がアップしても、粗利益が下がるケースがある」ということです。
粗利が下がってしまうと、当然、会社に残る利益を増やすことはできません。
このようなことにならないよう、粗利率は毎月必ずチェックしなければいけません。

売上は同じままで、粗利をアップさせるには?

最終利益をしっかりと確保するためには粗利率を下げない、
むしろ増加させていくことがとても大事になります。

では、具体的にはどのようにしたらよいでしょうか?

「取引先との価格交渉や契約条件の見直しを要請します」
例えば、相場より割高で仕入れている場合もあるので、
適正な範囲内での価格交渉をしてみる価値はあります。

また、他にもっと条件のよい会社が見つかるかもしれませんね。
「求められていないのに安易な値引きをしない、例えば、『もっと高い価格設定をする』と、社長が決意することも重要です」

もちろん、そのためには取引先などの理解が必要です。

そこで、『付加価値の高いサービス提供をするぞ』と決意して、
知恵を絞り具体的に考え、実行する必要があります。

「材料や商品の仕入は、量とタイミングをコントロールすることも必要です」
これは、在庫を過剰に抱え込み過ぎてロスにしてしまわないために大切なことです。

粗利率をアップさせる方法は、いろいろ考えられますので、
毎月の月次報告の中で、粗利益率の推移で大きな上下があった場合は、
上記のことを思い出してチェックしてみましょう。